春休みのとある日、ちょっと思ったことがあったので書き留めておこうと思います。
(ほんとに今日はひとりごと)
それは女子バスケのWリーグを見に行ったときのことでした。私が見に行ったのは年間のリーグ優勝チームを決めるトーナメント、その準決勝の2試合。リーグ上位4チームで戦う準決勝ということでとてもハイレベルな試合でした。
その準決勝、注目されていた理由はハイレベルな戦いが繰り広げられるからではなくて、ひとつ他の理由があったんです。それは、女子バスケを引っ張ってきた大神雄子選手が今季限りの引退を表明していたから。
有名選手の引退って、それだけで多くの報道陣が集まるのが定番。スポーツってストーリーを楽しむものでもあるから、もちろん一時代を築いたレジェンドの引退は誰しも知りたいし、それが報道されるのも自然なことだと思います。
大神選手が出たのは準決勝の第一試合。
彼女の所属するトヨタが攻めるゴール下にはたくさんのカメラが並びました。
(正直見づらいほどに)
そして、第二試合。
世間的な注目度でいえば大神選手の所属チームが出る第一試合だったかもしれませんが、本来注目すべきは(どちらかというと、ですが)第二試合、ぶっちぎりの優勝候補であるJX-ENEOSが登場する試合だったんですね。バスケ見る人から言えば。
ちょっと予想していたけど、絶対女王が登場するというのに、第二試合にはカメラが減っていました。
要は大神さん撮ったら報道陣の一部は帰っちゃったというわけです。
話題性があるのは大神選手の引退、優勝候補の試合よりもそっちがトップニュース、準決勝の結果いかんに関わらず。そういうことなんだろうと。で、第一試合で彼女を撮れたので撮れ高OKということで終了だったんだろうなと。
報じる人たちも仕事だから、理解はできるんですけど、バスケが好きで見に行った身としては少々寂しく感じるところでもありました。優勝候補見ずに準決勝を報じるのか?とその様子を見て寂しく…というか、ちょっと「どうなんだ」と嫌悪感を感じてしまいまして。それは、たぶんバスケを見に行った観客のひとりとして自然な感情だと思います。
そして、そのとき嫌悪感を感じるとともに「自分はどうなんだろう」と、ふと思いました。
言ってみれば、規模も媒体も違えど自分も同業者。
ときどき自分も詳しくない分野の取材にお邪魔することがあって、そんな場所では私もきっと同じように見えてるんだろうなと。。。相手が語りたいことのすべてを聞くことは難しくて、ある程度切り口と文脈が見えたら自分の中で区切ってしまうというか。
敬意を持って寄り添いたいとは思うけど、同じだけの愛を持つことはできないし、仕事だと思ったら膨大な時間はかけていられない。そんな「自分にとっては合理的な時間感覚」で関わった仕事の中では、同じように思われたことがきっとあっただろうな、と思ったんです。
何がいいたいのかって感じですが、
その日に感じた少しの嫌悪感を忘れず「自分も同じだ」ということは肝に銘じておこうと思いました。「自分はそうはなりたくない」って思うのもひとつだろうけど、大なり小なり、「なっているもの」だと思うから。
そんなことを感じた日の話でした。